せっかくの春なのに、体が重だるかったり、気分が晴れなかったり…。そんなこと、ありませんか?アーユルヴェーダでは、春は「カパ」というエネルギーがぐんと増えやすい季節なんです。今回は、このカパの季節を軽やかに、心地よく過ごすためのアーユルヴェーダの知恵をお届けします。

春とアーユルヴェーダ
寒さが和らぎ、新緑が香り、花が咲き始める春。自然が目覚めるこの季節は、心も体も軽やかに過ごしたくなります。一方で、湿気や水分が増えるこの時期は、アーユルヴェーダでは『カパの季節』とされ、カパドーシャが増えやすくなります。
また、カパは「安定」や「滋養」を司るドーシャですが、過剰になると重だるさ、眠気、むくみ、アレルギーや過食傾向などを引き起こすことも。特に日本の春は花粉や雨が多く、カパがさらに溜まりやすい環境です。

カパの季節:カパの性質
カパは「水」と「地」からなる水のエネルギーです。
重い・冷たい・湿っぽい・粘り強い・遅いが特徴で、身体に安定感や休息をもたらします。しかし、このカパドーシャが増悪すると身体が重くなったり、怠惰、むくみ、鼻水や痰、アレルギーの原因になります。

春に起こりやすい不調
《身体的な症状》
- 鼻水や鼻づまり(花粉症も含む)
- アレルギー
- むくみ
- 消化不良
- 朝なかなか起きられない
- 体が重く感じる
- 痰がからみやすい
《精神的な症状》
- やる気が出ない
- ぼんやりする、集中力が低下する
- 内向的になりやすい
- 心のだるさ
- 執着心が強くなる
- 気分が停滞する、落ち込みやすい
- 人に会いたくない
上記のような状態が続き、春のうららかな空気を楽しめないのは、少し損している気がしませんか?自然がいきいきとする季節だからこそ、心も体もすっきりと過ごしたいですよね。

カパの季節の過ごし方
生活編
1. 朝は早起きでスッキリと
→ カパの時間帯(6〜10時)にだらだらしていると、さらに重だるくなってしまいます。難しいかもしれませんが、日の出前〜6時頃までの起床がおすすめです。
2. 日光を浴びて体を目覚めさせる
→ 散歩や軽い運動で体を温め、カパの滞りを防ぎます。
3. 適度な運動を習慣にする
→ ヨガ、ウォーキング、軽いジョギングなど、汗をかく程度の運動が◎。カパは安定性がある反面、停滞しやすい。
4. 身の回りの整理整頓・デトックス
→ カパは「溜め込み」の性質があるため、春の大掃除や断捨離も心身の軽やかさに繋がります。


食事編
1. 軽くて温かいものを中心に
→ 消化力が落ちやすい時期なので、重たい乳製品や冷たいものは避けて、スープやスパイスの効いた料理がおすすめ。
2. 苦味・渋味・辛味を取り入れる
→ これらはカパを減らす味。春野菜(菜の花、ふきのとう、春菊)、しょうが、黒こしょう、ターメリックなど。
3. 甘味・酸味・塩味は控えめに
→ これらはカパを増やすため控えめに。特に砂糖や乳製品の摂りすぎには注意を!
おすすめのセルフケア
カパの季節『春』は冬の間に溜め込んだものを手放し、心も体も目覚めていく季節です。そのため、アーユルヴェーダではカパの質を整えるための優しいセルフケアが勧められています。

リラックス:カパの季節に心と身体をゆるめる方法
春のカパの季節は、心と身体が重く感じやすい時期。だからこそ、リラックスで「ゆっくり」の性質を活かしてあげましょう。例えば、温かいカモミールやペパーミントのハーブティーはほのかな温もりと香りが、心を穏やかにしてくれます。
また、夜にユーカリやラベンダーのアロマを焚きながら、深呼吸するのもおすすめです。さらに、ベッドで軽いストレッチをすれば、身体もほぐれて深い眠りを誘います。
こんな風に、春のゆったりした時間を楽しんでみてください。
デトックス:カパの重さを手放す方法
カパが過剰な春は、身体に溜まった重さや湿気をデトックスでスッキリさせたいですよね。
まず試してほしいのが、ドライブラッシング。乾いたブラシで肌を優しくこすると、リンパが流れてむくみが取れ、朝の目覚めが爽快です!
バスタイムでは、粗塩をひとつまみ湯船に加えて10〜15分浸かると、汗と一緒に老廃物が排出されます。
また、ジンジャーティーやターメリック入りの温かいスープを飲むのも効果的で、カパの冷たさを追い出し、消化をサポート。最後に、鼻うがいをすれば、花粉や粘液が洗い流されて頭もクリアに。春のデトックスで、身体を軽くしましょう!

また、足湯やアロマはリラックス効果が高く、汗や深呼吸でデトックスも促します。自分好みの春の楽しみを見つけ、心身とも軽やかに過ごしてくださいね。

カパドーシャが増える春は、意識的に「軽さ」と「温かさ」を取り入れることが鍵です。
食事や運動、生活習慣を見直すことで、花粉症やだるさを軽減し、春のエネルギーを満喫できます。
ぜひ今日から実践してみてくださいね。