さて、しばしば混同されがちな「ハーブ」と「スパイス」ですが、今回は、『スパイスの定義』について詳しく見ていきましょう。
スパイスの定義とは
ハーブの定義とスパイスの定義の違いは、クミンにみられる様に主に使用する植物の部分とその用途に基づいています。
その定義とは?追求していきましょう。
植物学者から見た『スパイスの定義』
植物のさまざまな部分(例えば種子、根、樹皮、果実、芽など)から抽出される香辛料や調味料の総称『スパイス』です。これらの植物部位は通常、乾燥させたり、粉砕したりして調理に使用されます。
一般的に、スパイスは料理に強い風味や香りを与え、食品に特有の風味を加えるために使われます。また、保存料や薬用としても利用されることがあります。
これに対して、ハーブは主に葉や茎、花から得られるもので、香りや風味だけでなく、栄養素も豊富に含まれています。
歴史背景から見た『スパイスの定義』
これまでハーブの歴史をお伝えしてきた通り、ハーブは主にヨーロッパで発展してきました。しかし、土地や気候の観点からヨーロッパでは多くのスパイスは収穫することはできませんでした。
そのため、中東から輸入されたものを主に『スパイス』と呼ばれる様になりました。これもまたスパイスの定義なのです。
ヨーロッパにおけるスパイス貿易
スパイスは古代から高価で貴重な商品とされていました。特に中世ヨーロッパでは非常に重要な貿易品でした。
さらに、中東地域は、インドや東南アジアなどのスパイスの産地とヨーロッパを結ぶ重要な貿易ルートの中心に位置でした。
スパイス貿易はヨーロッパの経済に大きな影響を与えました。スパイスは高価な商品であったため、貿易によって莫大な富が動きました。
また、スパイスを求める競争が大航海時代の探索や新しい航路の発見を促しました。例えば、クリストファー・コロンブスの航海も、インドへの新しいスパイスルートを見つけるためだったと言います。
主に輸入されたスパイス
- コショウ
- シナモン
- クローブ
- クミン
- ジンジャー
これらのスパイスは、中東の商人がインド洋を渡ってスパイスを輸入し、さらにキャラバンを組んでシルクロードを通じてヨーロッパに運んだと言われています。このように、アジアや中東からヨーロッパへとスパイス文化が運ばれたのです。
ハーブは維管束植物であり、葉、茎、花などを使用。
スパイスは種子、根、樹皮などを使用します。
ハーブの多くは温暖で湿気の少ない気候で育ち、日常の料理や薬用に使用されています。
スパイスは中東や東南アジアで育ち、歴史的に貴重な貿易品として取引されてきました。