つい先日、パセリの茎を捨てるのもったいないなぁ
悩んでいたところ、「そうだ!『ブーケガルニ』を作って料理に使おう」と閃きました 今回はそんな『ブーケガルニ』をご紹介します。
『ブーケガルニ』って何?
フランス料理では欠かせない『ブーケガルニ』(bouquet garni)はハーブを束ねたものです。その作り方や使い方は実に様々ですが、基本的には煮込み料理で使われることが多く、例えば、スープやシチューに入れて煮込むだけで、なんだかプロの味に近づく、そんな気がする魔法のアイテムなのです。
ブーケガルニの基本的な作り方
基本材料
伝統的な材料は、以下の3つのハーブを基本としています。
- パセリの葉や茎
- タイム
- ローリエ(月桂樹)

様々な作り方
① 伝統的な作り方はハーブを重ねて並べ、タコ糸でしっかり結ぶ方法です。
② ハーブをチーズクロスやガーゼに包み使用する。
③ ハーブをお茶パックに入れ使用する。
もちろん、フレッシュまたドライハーブのどちらでも楽しめます。
①と②はフレッシュまたはドライハーブを使用する際に、③の方法はドライハーブを使用する際に最適ですね。

フランス生まれの知恵
起源
その起源は、名前の響きから分かるようにブーケ(bouquet)は「花束」、ガルニ(garni)は「装飾」というフランス語がそのまま使われています。
直訳すると『飾られた束』となりますが、料理の世界では『香草の束』と呼ばれています。なんとも香ばしい響きですね。
フランス伝統料理
このように、フランス生まれのブーケガルニはフランス料理の伝統にしっかり根付いた存在。スープやシチューに香りをプラスする技法として昔からシェフに愛されていたアイテムなのです。
ブイヤベースやラタトゥイユ、カスレにポシェなど、様々なフランス料理に使われています。
また、フランス料理は「素材を生かし、調和させること」が基本の考えにあると言います。
ブーケガルニは単体では目立ちませんが、フランス料理の主役の味を引き立たせる名脇役で、伝統料理には欠かせない存在です。

歴史
歴史を遡ると、中世ヨーロッパの時代にハーブが大活躍していたことが分かります。当時は、病気も今よりずっと身近な脅威でした。そのため、ハーブは「薬草」として暮らしの中で重宝されていたのはご存知の通りです。
例えば、タイムやローズマリーは防腐効果があると知られており、料理に混ぜることで食材を長持させたりしました。また、セージは風邪予防に焚かれたり、ローリエは消化を助けると言われていました。
さらに、ブーケガルニは肉や魚の臭みを抑え、素材本来のうま味を引き出すだけでなく、奥深く豊かな香りや自然な風味をプラスできるひと工夫として親しまれてきました。
こうして、修道院の庭で育てられたハーブたちは、治療にも料理にも役立てられ、それが現代まで受け継がれいるのです。

ブーケガルニの使い方
アレンジ
基本的なブーケガルニは上記で述べた3つのハーブを使用しますが、ローズマリーを加えてみたり、お好みのハーブでアレンジできるのも、ブーケガルニの魅力です。
今回、私はパセリの茎、ローズマリー、ローリエ、タイムそして大好きなマジョラムを入れて、スープを作ってみました。
是非、自分好みのハーブでアレンジしてみて下さいね。

いろいろな料理に
お料理も楽しくなるブーケガルニ。基本的には、煮込み料理に適していますが、是非、いろいろなメニューで試してください。
例えば、以下のようなお料理にぴったりです(私調べ)。
- スープやブイヨン : お鍋に入れて煮込み、取り出した後に、味を調えます。
- シチューやポトフ : 肉や野菜と一緒に煮込むことで風味が増します。
- 炊き込みご飯やリゾット : ハーブの香りがお米に移り、豊かな味わいに。
- パスタソースやカレー : トマト系のソースやカレーに入れるとコクが生まれます。
いつものお料理に、魔法のアイテム『ブーケガルニ』をプラスしてみませんか?

もしかしたら、ブーケガルニは古代のハーブの知恵が料理の中に息づいているのかもしれません。
香草として料理の格上げをするだけではなく、昔の人にとっては薬草として「健康を守るため」の工夫でもあったのでしょう。
パセリやタイムを束ねてスープに入れると、風味が良くなる上に体にも優しいなんて、
フランス生まれのセンスと実用性のあるアイデアだなぁと調べていて思いました。


